ケースレポート
高齢者の循環器ケア:現状と課題を乗り越える新たなアプローチ
横浜南まほろば診療所
内科・呼吸器内科・緩和ケア内科
院長:山田英人 先生

「めまい」や「動悸」の症状を訴える高齢者の増加
近年、高齢者における「めまい」や「動悸」といった症状の訴えが増加しており、特に心房細動の発症が顕著に見られています。当クリニックでは循環器専門外であるものの、これらの症状を呈する患者に対し、スクリーニングの一環として 24 時間ホルター心電図検査を処方しています。
高齢者にとって、精密検査に行くことが困難なケースも
高齢者にとって、精密検査を受けるために遠方の病院を訪れることは大きな負担となります。特に、精密検査を実施できる大病院は自宅から離れている場合が多く、40 代や50 代のように車で移動する手段を持たない高齢者にとって、通院そのものが大きな障害となります。当クリニックの患者には外来診療のほか在宅療養を行う方も多く、以前は心電図機器を持ち込んで現場での検査を行っていましたが、最近ではより簡便で 24 時間の計測が可能な「e-skin ECG」を導入し、在宅でも容易に検査を実施できるようになりました。
扱いやすい手軽さが魅力の e-skin ECG
「e-skin ECG」は服タイプのため、従来のホルター心電図よりも操作が簡単で、患者や施設のスタッフにとって扱いやすいという利点があります。従来のホルター心電計ではクリニックでの装着指導が必須であり、その負担は看護師にも及んでいましたが、現在は患者が自宅で簡単に装着でき、指導の必要性が軽減されました。
これからの高齢者循環器ケア
「e-skin ECG」の導入により、当クリニックは在宅療養を行う高齢者に対しても、より簡便で負担の少ない循環器ケアを提供することが可能となりました。今後も、患者一人ひとりのニーズや状況に応じたケアの提供を目指し、さらなる改善を図っていく予定です。

横浜南まほろば診療所
内科・呼吸器内科・緩和ケア内科
院長 山田 英人 先生
2000 年 大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部医学科卒業。2014 年 横浜南まほろば診療所 開設。日本内科学会/ 日本呼吸器学会/ 日本臨床腫瘍学会/ 日本緩和医療学会/ 日本プライマリ・ケア連合学会/ 日本在宅医学会/ 日本抗加齢医学会