ケースレポート
慶應義塾大学病院におけるe-skin ECG活用事例:ホルター心電図検査の利用機会拡大
慶應義塾大学病院
循環器内科
勝俣良紀 先生

術後定期的にe-skin ECG を利用される患者様も増えています
不整脈の治療を行っている患者様のなかには定期的にホルター心電図検査を受ける必要がある患者様も多くいらっしゃいます。そのような方には、e-skin ECG の利用をおすすめしています。これにより、来院の負担が軽減されるので好意的に受け入れられています。自宅での装着に慣れてくると、検査もよりスムーズに行えるようになっているようです。
カテーテルアブレーション後の一貫した術後管理と検査効率化
カテーテルアブレーションを行った患者様には、術後3、6、12 か月の検査をまとめて依頼しています。こうすることで、都度の検査日程を調整する手間を省くことができます。また、検査のタイミングが患者様によってばらつくことなく、病院としてもより効果的に術後の状態を一貫して把握できるようになると考えています。
来院が難しい患者様に選ばれています
大学病院には遠方から来院される患者様も多く、装着や取り外しのための来院がご負担になることがあります。e-skin ECG であれば自宅で着用できるため利用したいと好評をいただいております。また、忙しい患者様の場合、装着や取り外しのために来院する時間を確保するのが難しく、検査を避けてしまうこともあります。e-skin ECG を使用することで、土日など自分の都合に合わせて検査ができるため、安心して検査を受けられると喜ばれています。
検査中も日常生活に近い状態で過ごせると評価されています
e-skin ECG はケーブルや心電計がシャツに一体化しているため、心電計の重さや大きさ、ケーブルを気にせずに生活できると評価されています。特に認知症の患者様の場合、従来のホルター心電図検査では検査中にケーブルを抜いてしまうことがありましたが、e-skin ECG を使用することで24 時間の検査が可能になったというケースもあります。QOL(生活の質)の向上にも寄与し、患者様にとって良い検査が提供できると考えています。

慶應義塾大学病院 循環器内科
勝俣良紀 先生
2013 年 慶應義塾大学医学部博士課程卒業。2020 年 慶應義塾大学病院スポーツ医学総合センター専任講師。専門領域:不整脈治療、心臓リハビリテーション、遺伝性循環器疾患。日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本不整脈心電学会専門医、日本心臓リハビリテーション学会認定医、日本人類遺伝学会 臨床遺伝専門医